つきいちのあれ!

浜田泰介写真展「polkadot」を見る。以前同名の写真展の案内を見て、そのパキッとしたトーンのカラー写真の雰囲気が気になって見に行こうと思っていたことを思い出した。そのときは仕事が忙しくて見に行けなかった。同名の写真展を同じギャラリーで何度もしているようだ。「polkadot」。水玉模様という意味らしい。すべて縦イチで切り取られた風景。風景というより断片だ。そこには光の反射がある。水がガラスが光をとらえて反射させる。幾重にも光が混ざり合い反謝して色を変える。反射する光が映り込んだ日常にある風景を異世界化させる。セブンイレブンの扉がポップな魔界の入り口のように見え、エスカレーターが何か未来の移動装置のようにも見えてくる。ビルの奥で花火が上がり、手前にいる人がそれをスマホで撮る。スマホの画面はピントがずれてぼんやりとしか見えないが、奥の花火がかすかに映っているのがわかる。やはりそこにも光の反射がある。ベランダのガラスに映った東京タワーの写真が好きだ。ゆがんだ反射がよく知っているものを別の形に変える。光の反射は欲望であるとヒッチコックは言っていた。これは欲望の断片なのかもしれない。

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