あくまのひだりて

「獣手」を見た。

応援したくなる映画だった。何の情報もなく見に行った。自主制作のような映画なのか、制作会社のクレジットも出ない。いきなり始まる。底辺の暮らしをする男の話だ。段ボールで玄関をふさいだボロボロの家で、盗んだビールを飲みながら、カセットコンロで温めたアルミホイルの1人鍋を食おうとする。そこに一人の訪問者。かつての知り合いで刑務所帰りの男。明らかに力関係で上にいると思われるその男が、作っていた鍋を食ってしまう。そして、その男がいつく。女も連れ込まれる。底辺の暮らしに暴力による支配が加わる。始まりからして暴力的で地獄的。暴力支配の抑圧デイズ。それが途中から一転する。映画がいきなりB級ホラー感の漂うモンスター映画になる。そして始まるモンスターと妊婦の逃避行。ハッキリ言ってむちゃくちゃだ。けどお金なんかねーけど、何か仕掛けてやろう、驚かせてやろう、ひっくり返してやろうという気概に溢れている。お金はない。けど熱量が作品を安っぽく見せない。荒削りさが、パワフルさに転じている。上映後の舞台挨拶でこの映画のプロデューサーと主演もしている福谷孝宏が満席には足りない客席の前で一生懸命しゃべっていた。そんな一生懸命さに思わずぐっとくる。作品として完璧ではない。でも熱がある。毎日舞台挨拶をしているという。手作りで映画を作って、コツコツと手売りしている。そんな映画を思いがけず体験した。何かすごい気迫があった。特に前半の抑圧された日常、あそこをもっと見たかった。とにかく応援したくなる映画だ。

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たおじごくめぐり

「マッチング」を見た。

父と娘がダブルでネット恋愛でひどい目にあう映画だった。マッチングアプリ使ったことないんですが、知らない人どうしが、ある意味こうやってマッチングするわけですよね。いきなり水族館で待ち合わせて、会って1秒で「君はぼくの運命だよ」って、渚カヲルくんみたいな金髪イケメンが現れる。…いいじゃん!!あり!うそ、怖い。本当に怖いんだけど。娘はマッチングアプリでひどい目に逢い、その父親はかつてインターネットのチャットルームでちょめちょめしちゃって、そんな20年前に手を出した相手のせいで、大変なことになるという。父娘ダブルでネット恋愛でひどい目にあう親子映画だった。基本は土屋太鳳演じる主人子がひたすらひどい目にあい続ける災難映画なんだけど、実際はほとんど関係ない人が巻き込まれまくっていて、かわいそうが過ぎる。先生もギャル風の娘も同僚も。そんな、え!?なんで?が多くて見終わった後には疑問が噴出するけど、見てる間は意外に楽しい最悪ジェットコースター。そしてどんでん返し!じつはこのあとが一番の地獄じゃん。だって、横にいるそいつ実は○で○○○だよっていう。えらいこっちゃ!で、斉藤由貴、怖っ!でした!!!

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よんじゅうにまい

写真、42枚目いただきました!!削岩機をプレゼントしたお返しでした!どうぶつの森は雪溶けて、草が顔を出しました!もうすぐ春!なのかな?現実世界は先週ずっと雨でジョギングに行けない日が続いてましたが、今週はいい天気!月曜日は、J-WAVEでラジオ収録があったので、ついでに国立新美術館マティス展と五美大展を見てきました。マティス、前は良さがわからなかったけど、ようやくなんとなく良さがわかるようになってきた。極限まで線をシンプルに。いや、これ自分が追求しようとしていることに近いじゃん。なんだよ、求めてたのはマティスだったのかよ!って気づきでした。前にマティス美術館に行ったときにはまったく気づけなかった。それから14年でけっこう変わった。5つの美大の学生の展示、作品量に圧倒されつつ全部見た。レベル高すぎ!どうなってんだよ!ただ長く足を止めさせる作品というのは、必ずしも完成度が高いかどうかと関係なくて、なんだこれ?という興味を湧かせるテーマをどれだけ瞬時に伝えるかというところがある気がして、結局長く見ていた作品しか記憶に残らないので、ここはデザインを考える上でもヒントになりそうな気がした。4時間以上立ちっぱなしで作品見て足が痛くなりましたよ。2日経っても残ってる。

<42枚目までの道のり>

2/27 さくがんき→ララミーのしゃしん

2/26こたつ→むじのさんかくきん

2/25バイキングのふくもらった

ひのきぶろ→モノクロストライプのかべがみ

2/24手紙でプレゼントハードマット

おんしつだな→みどりのペイントフローリング

2/23てつどうもけい→さむらいのはかま

2/22ゲーミングデスク→フードショップのぼうし

2/21オーブンつきコンロ→スキーダウンジャケット

2/20カーニバルなかみふぶきマシン→ダウンジャケット

2/19クライミングウォール→セリのぼうし

2/18手紙もらった

てまわしオルガン→マリアッチのいしょう

2/17ねこあしバスタブ→たいそうふく

2/16アンティークなミニテーブル→フェイクファーハット

2/15家によばれる

ハイローゲームで負けるムートンコートプレゼントされる

オリエンタルなベッド→サイクルヘルメット

2/14手紙でバレンタインチョコ

デニムキャップを突然くれた

ワンピースのマネキン→まえあきジャージ

2/13スタジアムのライト→アゴひげ

2/12オーブンつきコンロ手紙でもらう

カーニバルでプレゼントできず

2/11かまどキッチン→ウインドブレーカー

2/10 アンティークなラジオサーモンめがね

41枚目はこちら

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ふたりがひとりで

「ソウルメイト」を見た。

見終わってタイトルの意味をかみしめてしまう映画だった。とっても沁みる映画だった。まず目からはじまる。キャンバスに目を描く。巨大な絵から始まる。もうこれだけで何だかアタリな予感がする。女性友情もの。小学校で転校してきた子と親友になる。そこから長く続く2人の関係。2人でずっと一緒に過ごし、2人で一人のような青春時代を過ごす。やがて恋愛もして、時間が経ち、少しずつ2人の距離が離れていく。いやこれ、大好物な話でした。記憶と願望と想像と妄想が溶け合う。結局、誰かの記憶の中でそれが真実として語られる。これは単にわたしの見方がいけないんだろうけど、2人の話が、いまどっちの目線で語られているの?がときどきわからなくなって混乱した。まるで本当に2人が1人なってしまったかのような混乱。意図的だったのかはわからないけど、わたしにはそれがとてもよかった。過ぎ去った記憶の時間が溶け合ってひとつの話になっていく、そんな感覚があった。そんなふうに見たことで魂でつながった2人、ソウルメイトというタイトルの意味が見終わって染み渡った。とてもよかった。香港映画のリメイクなのだけど、オリジナルの方を見逃してしまったので、そっちも見ないといけない。

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さんねんめおわり

いやー、1日1冊本を読む!って始めたときに、まさか3年も続くなんて思ってなかったですよね…。別に続けようと思って続いた3年じゃなくて、本当に毎日たんたんと「今日も読む」を続けたのが3年続いただけ。こんなめちゃくちゃな目標、はじめに決めてやったら絶体できてなかったよな。ま、もうここまでくると苦しいとか、大変とか、何もなくなりますね。ふつうに読んでる。今日はラジオ収録があって、そう、3回目のラジオ!また読んでもらったんですよね、今回は収録です!!それがあるので早く家を出るので、今日の本は電車の中で読むぞ!

結局、続いてるラジオです

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しんそうはやぶの

「落下の解剖学」を見た。

最後までわからない映画だった。わからない。でも、この「わからない」ことこそ、この映画の主題なんだと思う。150分ある法廷劇。話自体はすごくシンプル。舞台は夫婦と息子が暮らす山荘。転落死した夫。家に居たのは妻だけ。事故で失明している息子が第一発見者。これは事故なのか殺人なのかそれとも自殺なのか。法廷でさまざまな憶測が繰り広げられる。そして少しずつと家族の事実が明かされていく。小説家になりたかった夫。その作品のアイデアを使って作家になった妻。夫はフランス人、妻はドイツ人。家では英語で話している。夫婦仲の不調和が浮かび上がる。裁判はフランス語で進められるが、被告である妻は、フランス語がうまく話せないため途中から英語で証言する。しかしその英語もそもそもの母国語ではない。真意の上にフィルターがかかっている。事件の真相のいちばん近くにいた息子は視覚に障害があり見ることができない。誰も真実を見ることができない。憶測と印象だけで事実を推察させられる。いったい何だったのか、見終わってこの事件の真相についてずっと考えさせる。おそらくこうであるだろうという結末にたどり着きはする。ただまったくそうじゃない可能性も考えてしまう。それを考えるともう一段この映画が怖くも思えた。たぶん考えた真相は間違っているのだろうけど。でもおそらくそんな観客の反応までふくめ作品の一部となっている。そういう映画だと思った。真実を知るのはもしかして犬だけ?

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まだむがうぇぶで

「マダム・ウェブ」を見た。

頼んだ料理と違うのが出てきたけどこれはこれで悪くない!そんな映画だった。初日鑑賞。なるべく前知識を入れたくない派なので、早く見ておこうと思い行ってきた。すでにけっこうな酷評が聞こえてきていた。そんな言うほど悪くないじゃん!そう言いたいな、言えたら良いなと思って見た。うん、言うほど悪くない。というか、面白いじゃん!いや、これはツッコミながら見るタイプの楽しい映画ですよ。応援上映向き!大いに楽しくツッコミたい!そういう映画。マーベル初の本格ミステリーサスペンスであるという宣伝文句。もう、ここから始まってる。そんな映画を期待させておいて、こうくるか!!ってくらい予定調和とご都合主義と行き当たりばったりのジェットコースター。未来予知して過去をやり直せるのに、解決策が全部「車で突っ込む」という見事な大技。いや見てみて、本当だから。びっくりする方法で車ぶつけるから。いよ!待ってました!って2回目はそう叫びたい。事件現場に何か探しに戻ったのかと思ったらただの夢遊病だし。「3人の少女はわたしが守る」って言った途端、人に預けて外国に自分探しの旅に出かけるし。敵が国家機密を盗み出す方法がまさかの色仕掛けだったり、思い出すと細部がいちいち面白い。なんだコメディじゃん!時代設定を2003年にしていて、なぜそこにしたのか無理ありすぎるだろうと思ってたんだけど、そうか最後に産まれる子の叔父さんの名前があの人で、と考えるといろいろ逆算して糸をはり巡らせているようで、そのはり巡らせた糸が回収されていくといいな。期待してたものとは全然違うけど、これはかなり面白い快作でしたよ!

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