したをみたらだめ

「FALL/フォール」を見た。

地上600メートルの絶望。もうそのまんまの映画です。細くて長い鉄塔に登ったはいいけど降りられない女子2人。降りる手段なし水なし食料なし電波なしの絶望状態。死ぬしかない?ってところからどうするのか。まず、高所恐怖症の人は見てはいけない。地上600メートルの塔の上に取り残される恐怖。閉所恐怖症の人もダメ。半径1メートルもないような閉所から動けない。すごいのはこのワンシチューエーションなのに次から次にトラブルが起こることだ。そしてドラマ的にもあることがきかっけで2人の関係に亀裂が入りそうになる。その見せ方もうまい。冒頭からチラ見せしてくる色んなことが、伏線としてしっかり機能してくる。単純にこれは面白い!!で、見始めて気づいたんですが、わたし、高所恐怖症だったようです。手汗が凄かった。手のひらびしょびしょ。いやーコワオモだった。

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たぶんすくわれた

「スクロール」を見た。

逃げ出すように映画館に駆け込んだ。仕事がいやでいやで、本当に映画館に逃げ込んだ。疲労が限界に達していて心が壊れる寸前だった。どんな映画か、どこの国の映画かも知らずに、時間が合った映画を選んで見た。壊れかけた心についての映画だった。突然始まるワンショット風の実験映画のような不思議な世界観の映像。学生映画のようにも見えるけど微妙な画面のブレがまるで悪夢のようでもある。それから徐々に空っぽで、まだ何者でもない若者たちの壊れかけた群像劇が始まる。消えたい、死にたい、死んで欲しい、見始めてしばらくはちょっとキツかった。でもなんとなくそのキツさがちょうどよかった。ハッピーな映画を見ていたら心がすさんでいたかもしれない。エンドクレジットまでずっと福士蒼汰だと思って見ていた役者は中川大志だった。夜風を冷たく感じながら家に帰って少しお酒を飲んで寝た。今朝は3時に起きて仕事にとりかかった。昨日あんなにいやだった仕事がそれほどいやじゃなかった。

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こころとりもどす

心を失っております。忙しいというやつです。今までも壮絶な忙しさはそれなりに経験してきましたが、正直ここまで忙しい状態を経験したことがありません。朝は3時起きです。寝るのは夜中です。今までで一番忙しかった時期の1.5倍くらいの体感です。今日は方々で余裕のない発言をしてしまい、すみませんでした。いつか笑い話になるのかな、この苦しさ…。その前に命が持つのかが本気で不安です。生き残るために、一回全部投げ出して映画でも見てこよう!もうそれしかない!!なにか今から見れる映画あるかなー。心を取り戻したい。

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もうくちきかない

「イニシェリン島の精霊」を見た。

恐ろしくシンプルな映画だ。「お前とはもう口をきかない」と一方的に絶交を突きつけるおじさん同士のケンカの話。本当にそれだけの映画。だけどこれがなんとも射程の広い映画だった。シンプルだからこそ考えさせる。決して難しい映画じゃないですよ。ふつうに面白い。そこもまたすごい。2時間、おじさんのケンカを見てるだけなのに、全く飽きさせない。笑えるし、ぞっとするし、ずっと緊張感があって怖い。たぶん感じるところは人それぞれだと思うけど、わたしが感じたのは、人は分かり合えないという悲しい現実だ。この映画は分断の本質そのものを描いていると思った。本来は善良で優しいはずの人がなぜ傷つけ合う関係になっていくのか、そのプロセスがものすごく丁寧に描かれる。ほんと善良なまま傷つけ合うんですね。守るべき何かのために。すごい映画でした。

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ことばをかえるな

ヒトラーのための虐殺会議」を見た。

見ている間、全身の力が抜けていき、クラクラして吐きそうになる映画だった。味わったことのないような嫌悪感に襲われた。おそろしい映画だった。終わった後の立ち上がれないほどの虚脱感。果たしてこれは人間の会話なのかと思う。ただしかし、そこで話あわれていることは、言葉だけを聞けば、ただのビジネスの会議のように聞こえる。とても恐ろしいことが話しあわれているとは思えない。だからこそ恐ろしい。議題は「最終的解決」についての話し合い。「最終的解決」とは何か、暗黙の了解でその場にいる全員が分かっている。虐殺による民族の殲滅のことだ。しかし「最終的解決」という言葉を使うことで、その恐ろしい現実を煙に巻いている。言葉を作ることで感情を奪う。思考停止だ。優先すべきは「効率化」で、工程を「簡素化」すること。そんなビジネスライクな言葉にこの会議は支配されている。まるで本当にビジネス会議のようだ。「目的」のためにより効率のよい方法を考え出し、最適な方法を選択し、決定する。史上最も残忍な決定はこうしてされた。自衛のため、安全のために、危険な民族を殲滅しなければならないのだと言う。法律を変えることはできないが、解釈を変えればそれは可能だという。どこかで聞いたことのあるような話だ。恐ろしくおぞましいことは、恐ろしい顔をして行われるわけではない。何でもない顔をして行われる。自衛のため、安全のため、人道的最善策という名目で、良きこととして、言葉を変えて、概念をねじ曲げて、極めてビジネスライクに決定されていく。最後に決裁者が、内容が分からないように難しい言葉で報告書をまとめておくように言う。なぜ公文書の表現が難しいのか理由がよくわかった。

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ふつうにおもろい

「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」を見た。

逃がし屋の凄腕女性ドライバーが、ヤクザに追われる子どもを助けるというど真ん中のジャンル映画ながら、カーアクションはキレキレですさまじいし、コミカルに振ってみたり、容赦なく暴力描写も差し込んでくるし、国家情報員まで出てきたり、さすが韓国映画なエンタメ特盛り感。こういう映画が普通に面白いってことは、普通じゃないくらい色んな事をアップデートさせてるってことなんですよね。主役二人がパラサイトでの家庭教師と教え子ってのも気が利いてる感じですね。

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