ほくおうのだんち

「イノセンツ」を見た。

北欧の団地映画。団地映画ってだけでテンション上がるけど、しかも無邪気な子ども達の話って、好きな要素しかないヤツじゃん!ってわけで初日に見に行ってきた。なんと朝の回なのに劇場満席!みんなよくわかってらっしゃる。団地で子どもの映画が面白くないわけないんですよ。結論から言って、傑作です。無邪気な遊びが暴走していって、とんでもないことになっていく団地ホラーです。いいのは、派手な仕掛けがまったくないことです。最初、主人公家族が団地に引っ越してくる車移動のシーンからいい。何なの車の窓に張り付いたアレはグミ?この移動シーンだけで家族の関係性がある程度見えてくる。うまいなー。とにかく小具の使い方とか、状況説明がめちゃくちゃうまい。お姉ちゃんが床に落として回して音を鳴らす鍋の蓋とか、ラクガキのおもちゃとか、少年の冷蔵庫のコーラとか、身の回りにある物で何となくその子の置かれた状況や心情を自然にわからせる。ちょっとしたカメラの傾きとか、何でもないシーンのつなぎ方とか、何気ないものを積み重ねていって、そこにしっかり怖さと面白さを演出しているのがいいです。映像的にすごいことは起きないのに、きちんと規模の大きな話に見える、超静かな「童夢」みたいな感じですかね。起きてることはめちゃくちゃ怖いし、悲惨すぎるんですけどね…。ネコ、お母さん、サッカー少年、友だちの子…ああ。でも、とにかくむちゃくちゃ面白かったです。

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