むじひすぎです!

「トリとロキタ」を見た。

ダルデンヌ兄弟の映画なんである程度覚悟はしたんですが、予想を遙かに超えてぶちのめされた。最初はなんだかわからない。何かを聞かれている少女。弟となぜわかったか?と質問される。弟がいる、しかしどうやら、それは本当の弟ではないようだ。なぜそんな嘘をつく必要があるのか。そんな疑問から、少しずつこの少女と難民保護施設にいる男の子との関係とその背景が見えてくる。世界の片隅で、自分たちの力だけで生き抜いていこうとする2人の子ども。必死にビザを手に入れようとする少女の願いはものすごくささやかなもので、ハウスヘルパーとしてきちんと働きたい、そして弟と暮らしたい、たったそれだけのこと。そのささやかな願いをかなえるためにこの世の最悪を経験することになる。しかし、この2人の子どものたくましと賢さ、2人でいるときの寄り添い合う幸せな表情。とにかくこの2人がいい!良すぎる。だからこそ坂を下った先にあるとてつもない無慈悲に、しばらく立てなくなるほどの衝撃を受ける。すごい映画だった。無慈悲で残酷でしかし世界はそのまま回り続けている。

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