ぱぷりかちきん!

「リンダはチキンがたべたい!」を見た。

すんげーもんみちゃった!を存分に味わえる映画だ。見た目はまったくやる気を感じない超シンプルな線画のアニメーション。なんかアート映画みたいに思う。全然、違う。すんげーコメディ。おしゃれではある。けど、小難しくはない。小さななんでもない一日になるはずが、めちゃくちゃなことになる話。絵はとことんシンプル。色も少ない。ほとんどシンボルのような絵柄。動きだってそんなに躍動があるわけじゃない。けどそれが最高に人間ぽくて、生き生きして見える。何よりこの絵だから笑える。演出はどちらかというと地に足がついている。もちろんアニメ的なジャンプはある。けどすごく控えめ。これがすごく新鮮。しっかりした演出に、全然しっかりしてない気が抜けた絵柄。本当に何でもない母と幼い娘のやりとりから始まって、でも物語はどんどんおかしなことになっていく。でもやっぱりほのぼのしてる。物語の根底には喪失がある。だからはちゃめちゃなことになっても、どこか少しもの哀しい。楽しいんだけど、みんなちょっぴり切ない。楽しい混乱の末に待ってるのは、とっても優しい着地だ。それに泣く。思わず号泣してしまった。はちゃめちゃな末にとんでもない涙。これは傑作!

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