ぷぺぷっぷぷぺる

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「映画えんとつ町のプペル」を見た。

見る前に余計なノイズが入ってきすぎて、なんだか見る気が起きないまま1月くらい経ったのだけど、ここで見ないとたぶん一生見ないだろうなと思ってがんばって見てきた。できるだけ余計なノイズは取り払って見たつもりだ。で、アニメとしての完成度はさすがSTUDIO4℃だった。作品的には宮崎アニメやら色んなものへの憧れを感じたけど、世界感的には90年代のRPGゲームの影響が強いのかなと思った。街の雰囲気はすごくFF7っぽいし、キャラクターはFF9っぽいし、デザインにあの頃のゲームの空気感を感じる。前半で主人公ルビッチが、ゴミ人間の乗ったトラックを追いかけるチェイスシーンは遠くから見た建物を移動する初代FF7みたいな感じだし、その後のトロッコでのアクションも右・左・下によけてって、もう完全にゲームだ。映画は、煙に覆われた街の外側を見たい、みんなに見せたいって少年の話。「煙の向こうには星がある」なんて言うとみんなに笑われるし、何なら袋だたきにされるし(住民コワっ)、しまいにはペスト医師風の秘密警察に抹殺される恐ろしい世界。そこまでして外の世界を否定する理由は、外が危険だから。この煙に覆われて外が見えない世界っていうのが、実はある理想のために作られた安住の地であったと。この内側しか見えてなくて、外の世界を拒絶するコミュニティって…あれ?…そう考えると、意外に向きあって作ってる作品なのかな、と思ったりもした。これを機に初めて原作も読んでみたけど、先の世界の成り立ちの話とか、映画の方がたくさん盛られて、作品のテーマ自体が変わっている気もして、そのへんもふくめて、いろいろ考えさせられる作品だった。