はんぱないって

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「ホテル・ムンバイ」を見た。

おっそろしい映画でした。テロによる襲撃で閉じ込められたホテルから脱出する映画なんだけど、その臨場感というか、緊迫感というか、もうハンパないです。冒頭テロリストたちがムンバイの岸に着くところからほぼ全編クライマックスというか、容赦ない殺戮と逃げまどう人々の恐怖と危機との連続です。自分もホテルに閉じ込められて一緒に逃げ惑ってる感じ。心が安まる瞬間が一瞬もなかったです。ただその中できっちり人間ドラマが描かれていて、何人かの人にスポットがあたるのだけど、極限化であらわになる人間性と愛と使命感と、あらゆるものが詰め込まれてます。感情の揺さぶられ方がすごいです。ちょっと前に見た「ケサリ 21人の勇者たち」で出てきたシーク教とターバンの話がここでも出てきて、ここも実にぐっとくる場面でした。イヤなヤツをイヤなヤツにしておかない演出というか、細部まで無駄なドラマを作っていないのです。無差別に人を虐殺するテロリスト対する視点も、あからさまな悪としてではなく、彼らの悲劇も描いてくるあたりがすごかった。とにかくすさまじい傑作でした。