ねことぴざでした

クワイエット・プレイス:DAY 1」を見た。

猫とピザの映画でした。思いがけず、とてもよかった。まず体験としてよかった。音を立ててはいけない。この緊張感がやっぱヤバい。これは劇場で見ないとダメだ。初日でそこそこ人が入っていたけど、静まりかえった劇場で、ポップコーンをごそごそやる音すら出さないように気をつけて見てしまう緊張感。こりゃたまらん。ま、この音を立てられない鑑賞体験は1作目はから貫かれているんだけど、今回はその直前のニューヨークの騒音があることで、その落差を味わえる。やかましかった世界が突然沈黙する。そこからの緊張感。猫の足音すらなんか怖い。猫の足音なんかふだん聞こえないもんね。静寂と言っても完全に音がないわけじゃなくて、自然音はそこにあって、無音がテーマの映画だけど、逆に繊細な音の映画でもあるんだなと改めて思った。小さくしている音が際立つ。音の使い方、うまい。水が流れている場所の近くでは囁き声で話せる。そこで最小限の情報交換がなされる。雷の音に合わせてドアを蹴破るとか、叫ぶとか、音が出せないからこその音使い方が面白い。主人公の設定がホスピスの患者だというのもよい。死を待つだけだった人が、極限状況を生きようとする。覚悟していたはずの死に抗う。抗って何をするのか。死んでもいいからピザを食いに行く。その理由はきちんとあとでわかる。すべてが反転したような設定がじつによくできている。続編であることをじつによく活かしていて、最初から敵が何なのかはわかってるし、徹底して何も情報を語らない感じもよかった。鳴き声ひとつあげない猫ちゃんがかわいい。猫とピザの映画でしたね。www.youtube.com