どこにかんじるか

昨日は月に1度の企画会議の日だったので、都内に出かけていき、出版社で会議をしたあと、都内で気になっていた写真展に行くはずだった。月に一度、写真展を見て、ブログを書くと決めている。昨年から続けている習慣。ただ、昨日は企画会議がなくなった。編集者の忙しさが臨界点を超えているらしく、とても会議なんかしている場合ではないのだとか。会議もないし、写真展だけ行こうと思ったけど、忙しさの波に飲まれて、わたしも都内には出られなかった。お目当ての写真展にはいけなかったけど、横浜近辺で見れそうなものを探して、気分転換の散歩ついでに別の写真展に行ってみた。「にっぽん―大使たちの視線2023」写真展。36の国から日本に来ている外交官達が撮った日本の写真。なかなか面白そうじゃないか。写真にはその人が出る。海外から来た人が見る日本。どこを日本的と感じているのか。テーマは「Welcoming Japan」だという。「ようこそ日本へ」を感じる写真。露店で焼き鳥を焼くおじちゃんの写真がある。たしかにこれは日本だ。富士山の写真もある。これも日本だ。写真家が撮っているわけではない。だから画として驚きがあるような写真は少ない。雰囲気のある写真が、あるにはある。けど写真のよさそのものより、何を撮っているか、何に日本を感じているかを見る方が面白い。マレーシアの大使は、プラモデルの箱で埋め尽くされた模型店の写真を撮っていた。ベネゼエラの大使夫人はおもちゃ屋にディスプレイされたブリキのロボットにノスタルジーを感じ、その夫の大使本人は飛び跳ねるコスプレ風の着物を来た女性を腹ばいになって撮影している男性を写していた。オタクカルチャー的なものに日本を見ているのかもしれない。ドイツの大使が撮ったのは、雪の中の自動販売機と、立食いそば屋でビジネスマンに交じって昼ご飯を食べようとする娘の後ろ姿だ。素朴でありふれたでも確かにこれは日本にしかない風景だ。その人にとっての「日本」的な1枚を選ぶ。なぜそれなのか、そこを考える面白みがある。写真をどう楽しむのか、考えながらみた。見て言葉にしてみる。そこに面白さが生まれる。

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