あいだあいだあい

「熱のあとに」を見た。

愛だった。暴力的なくらい自分勝手な愛の叫びだった。愛を「叫んでいる」時点で自分勝手である。暗くなったプラネタリウムでひたすら己が愛をまくしたてて相手に伝える。後ろの席から小さな少女の声がする。「何か言ってる」「怖い」しまいに少女は泣き始める。その泣き声はもしかすると愛を叫ぶ自分の中の過去の少女の叫びでもあるかもしれない。でも明らかにプラネタリウムで愛を叫ぶ行為は迷惑だ。そうやって愛をぶつけ合う映画だ。勝手な愛は、どこまで言っても自分勝手だ。勝手にしやがれこんちくしょう!だが、それが愛なのだ。その熱が止まらない女性の話だ。愛があるから、相手を殺して自分も死のうとする。しかしどちらも死なずに6年の時が流れる。熱は冷めたかのように無気力になる。そんな女性に母が望むことは「幸せな人生と自然死」だ。ただもうふつうにいてくれと願われる。そんな母がセッティングした投げやりなお見合いから物語は始まる。無気力に見える女性。しかしとある出会いから愛が再燃する。狂気を感じさせる演技だった。そんな主人公を演じるのは橋本愛。まさに愛だ。

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