まんまとやられた

「アナログ」をみた。

なんだかまんまと泣かされていた。泣きに行ったわけではなかったけど、気がついたらわんわん泣いていた。木曜だけ会える人。携帯を持たない彼女。それ以上の情報はまったくなしで見た。ちょっとファンタジーな話なんだろうなと思ったら、意外なほどにベタでアナログな着地をする映画だった。しかしそれに泣かされた。まんまとやられた気がした。それにしても不思議な撮り方をする映画だ。物語然としたシーンの中に、ぽつんと事故ったようなアドリブのくだけたドラマっぽくないシーンがさしこまれる。ときどき妙な違和感がある。いつも二人が会う喫茶店。オーナーはリリーフランキー。何か起きそうな予感がする。そうして油断させておいて、泣かせにくる。すべてが予定通りの映画ではあるはずなのに、予定通りに見えない何かがありそうな気がする。しかしやはり予定通り、泣いて帰る。気持ちいいじゃないか、たまには、こういうのも。そういう映画だった。

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