ぜんぺんがあくむ

「ヒンターラント」を見た。

うわーーー!これ大好き!!好きって言葉しか出てこない。第一次大戦後のオーストリア。戦場へ行きロシアで抑留され悲惨な目にあって何とか生きのびて帰ってきてみたら国の体制が変わっていて、行き場もなければ仕事もなくてズタボロ。その上に帰還兵を狙った連続猟奇殺人まで起きて、むごたらしい死体にされ戦友達が殺されていくって、もうどんだけ地獄を味わえば良いんだっていう…。そんな地獄みたいな映画。この設定だけでも大好きなやつなんだけど、その上ですごいのが美術。まるで全編が絵画みたいな舞台設定。抽象画のように建物がおかしなパースになっていてゆがんでいる。色彩はゴッホの絵のようなあえてつくりもの感を際立たせて、でも限りなくリアルに近い違和感としてその手法を使いつつ、遠近感を崩してみたり、画面をずっと斜めに傾けてみたり、世界そのものをゆがませている。何だ、このすげー世界観は。そして起こる事件のエグさ。残虐さ。救いのない展開と、ゆがんだ世界。こんなの最高でしかない!まるで全編が悪夢みたいで超わたし好みの映画でした。

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