さいていやろー!

「レッド・ロケット」を見た。

いや、もう、最低!!!最低な男の最低な毎日の映画。ではあるんだけど、なんだろうこの憎めなさというか、うらやましい奔放さは。いや、ほんとにひどいヤツなんですよこの主人公。自分のことしか考えてない。落ち目になったポルノ男優の中年おじさん。何かあって逃げるように、元妻(と言っても離婚はしてない)の家に無理矢理転がり込んできて、マリファナの売買をして小銭を稼いで、近所のドーナツ屋でバイトする17歳の少女に近づいて、口説き落とすために嘘ついて見栄はって、何歳離れてるかわからないその彼氏の高校生に本気でケンカ売って、逆にその両親にボコボコにされて、女子高生を落としたら落としたで、ポルノ女優にして自分のカムバックの踏み台にしようと画策したり…隣の家に住むさえない男をコマのように使いながら、自分がいかに成功者かという自慢話をほら吹いて承認欲求を満たし、その男がピンチの時は無視して、自分が犯した罪は全部そいつになすりつけ、最低が服着て歩いているような男のほのぼのした日常。このしょうもない毎日がなんだかとても愛おしい。こんだけ自分にだけ正直に生きれたら、それはそれで楽しいだろうなって思う。まさにこれぞ「嫌われる勇気」だ。そういうダメ中年の最低な青春映画でした。つまり最高の映画です!!!ちなみにオープニングとそのほか要所要所でかかるイン・シンクの「Bye bye bye」は最近たまたま毎朝聴いてる曲で、そのあたりも刺さる映画でした。いや、ほんとう最低で、最っ高に好きな映画です。

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