もじのでかたすき

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「RUN/ラン」を見た。

まずのっけからいい!集中治療室と思われるところで医師達が心臓マッサージをしているんだけど、電圧をかけるドォンって音に合わせて一瞬クレジットが出てすぐ消える。消えるの早っ!!っていう。なんでもないことなんだけど、なんか、このクレジットの出方のリズムだけで、なんとも言えない緊迫感を漂わせる。で、その心臓マッサージを受けていたのが生まれたばかりの赤ちゃんだとわかるんだけど、それから画面が暗くなって、恐らくその子が生まれながら持ってしまった病名とその症状が画面に小さく出て、その最後に「走れない」と書いてあって、その「Run.」の文字だけが画面下に小さく残ってタイトルのクレジットになる。この冒頭の文字の演出で「ああ!いい!!!」って思ったんだけど、この映画、全体的に文字によって物語が動かされていく。子供の頃から歩くことができない主人公。家の中だけが自分の世界で、つながりがある他者は母親だけ。その母親が持ち帰った薬の容器に書かれた文字への違和感が発端になって、その意味を調べていくことで徐々に自分がおかれている状況が明らかになっていく。インターネットが遮断されていて外にも出られない中でどうやって調べて情報を得るか、どうやって動けない体で家から出るか、なかなか考えられた映画だった。いや、ほんと、勉強ってこういうときのためにしておかなきゃダメだって思った。でもって最後の後味は、けっこう強烈だ。油断させておいてから来るから、さらにパンチがあった。いやー、こりゃなかなか。

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