かきみだされた

f:id:Shimpachi:20190321122416j:plain

「サンセット」を見た。

サウルの息子ネメシュ・ラースロー監督。手法は同じで主人公を常に画面中央にアップでとらえて、体感させるような映像で物語が展開されていく。舞台は1910年代のブタペスト。街並みとか、空気感は見事で、囁くような人物の声や雑音があちこちから聞こえてきて、まさにそこにいる感じだ。かつて自分の両親が経営していたという帽子店に雇って欲しいと娘が訪れるところから物語ははじまり、出生の謎や、その帽子店に隠された秘密など、ミステリアスな話が展開されいく。体感映像と相まって謎が解き明かされていくのは実に面白いのだが…途中から主人公のあまりの自己中っぷりに腹が立ってきて、そいつがいつもセンターにいる状態が続くので、いらいらが止まらず、かなり精神をかき乱された。物語とハンガリーの歴史がオーバーラップしているようなので、恐らくこの感情を掻きたてるための演出だったのだろうと思うのだが、こんなに主人公が嫌いになった映画も珍しい。ある意味貴重な体験。その後カラオケで5時間歌ってなんとか平静を取り戻しました。