なぜなれないのか

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「なぜ君は総理大臣になれないのか」を見た。

絶望的な気分になる映画だった。映画自体がつらいとか、そういうことではない。映画としては抜群に面白くよくできている。しかし、ここに描かれているものはとてつもない絶望だ。少し前に見た「はりぼて」は地方の政治の腐敗を描いていて、それはアホらしすぎて笑えるコメディだった。ほんと、政治家ってロクでもない、そう言ってればよかった。この映画の主役は、「日本を変える」その信念と情熱に燃えている政治家だ。「日本を良くしたい」そのまっすぐな信念が17年でどう変わっていくのか、という映画だ。今も理想を追いかけているのはわかる。スローガンは「私は変わらない」だ。しかし明らかに信念よりしがらみに支配されている。顔は疲れ切っている。「彼は政治家に向いているのか」というテーマが何度か劇中で表出してくる。「向いている」とはどういう人のことなのか。なんとも絶望的な気分になる映画だった。