う゛ぁんぱいあ!

傷物語 -こよみヴァンプ-」を見た。

独特であるとしか言いようがない映画だ。ばら売りで公開された3部作はすべて劇場で見ている。…のだけど、後半パートにあたる「熱血篇」については物語すら覚えていない。調べたら2017年の1月に見ていた。そのときのブログ「「傷物語3 冷血篇」を見ました。おっぱいをもむかどうかの葛藤を永遠に見せられるのが、今の精神状態にはちょうどいいように思いました」とある。今回の劇場版ではおっぱい葛藤が印象に残っていないので、きっとおっぱい揉むかどうかは短くなって気付かなかったか、わたしの精神状態がよくなったかのどちらかだ。ちなみにパート2にあたる「熱血篇」の感想も残っていた。見たのは2016年の8月だ。「「傷物語2 熱血篇」をみた。パンツ、バトル、パンツ、バトル、はらわた、おっぱい、パンツ、なんかそんな映画だった」とある。パンツは今回、それほど強調されなかったので、きっと大幅にカットされたのだろう。もしくはわたしの精神状態がよかったか、のどちらかだ。パンツについては、冒頭でいきなり見せつけられる。始まった瞬間がパンツだった。というか、このアニメ、始まった瞬間に果たしてこの映画についていけるか不安にさせるほど、強烈なパンチをお見舞いしてくる。いや、おパンツか。何を見せられているのかわからなくなる、ただの会話シーン。特に何も特別な話はしてないのに、演出が過剰すぎて、一瞬で「面倒くさい作品」であることを理解させる見事なつかみだ。これが140分も続くの…と不安にさせつつ、終わる頃には、意外に楽しんでいる自分に驚く。そういう映画だ。3部作をバラで見たときに感じたおっぱいとパンツの過剰な攻撃性が、3作が合体することで緩和されていた。独特すぎて見る者を選ぶ映画なのは変わらないが、ずいぶんと見やすくなっていると思う。いや、実際、見やすかった。ちなみにラストの展開はじつに哲学的で、誰も幸せにならないが、そうするしかない選択の話として、残酷さな優しさが不思議と気持ちよいので、その不思議な絶望を味わうだけでも見る価値はある。個人的には前日にライブで生で聴いたクレモンティーヌの歌が流れて、それだけで幸せな気分にもなった。

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