どん・きほーて!

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テリー・ギリアムドン・キホーテ」を見た。

マジか!?ほんとにできたのか!?正直見るまで信じられなかったのだけど、本当にできてた。構想から30年、幾多の困難を乗り越え、呪われた映画がついに完成。撮影が頓挫した顛末を描いたドキュメンタリー「ロスト・イン・ラマンチャ」が2001年の公開で、それからだけでも20年近く経っている。執念の一作。これは見ないわけにはいかない。完成させるために現実的な予算で作るために、当初のプランとは大きく変わった設定になっているのだろうけど、そのことが映画に多重的な構造と厚みを与えていると思った。まーとにかく面白かった。一体どこに連れて行かれるのかわからない重層的な迷宮のような作品だった。かつて自分が生み出した幻影が、実態として今もまだ残っていて、それに囚われて飲みこまれてしまう男の話…。なんだかこの映画の完成までのプロセスをメタ的に描いているかのようだった。作品完成までのプロセスもふくめて楽しめる、なんともおかしな映画だ。30年近くかけた企画だけど、実際の撮影期間は3週間だったというのも何だか「らしい」なと思った。