「タロウのバカ」を見た。
実に「不快」な映画だった。もちろんそれは監督の意図するところなのだと思うが、一丁の銃を持つことで暴走していく幼くて無垢な狂気と、その周囲にある世界に恐怖と嫌悪感しか抱けない映画だった。後味の悪さも最悪だ。地獄のような映画は大好物だけど、この映画に関しては好きなんて言葉すら拒否されそうな、そんな簡単に共感させてもやらねーし、エンタメ的に消費させてもやらねーという、作品の意図を感じた。こういう映画に出てしっかり演じきる菅田将暉はとにかくすごいし、仲野太賀もやっぱりいい役者だ。この世の絶望と虐げられた者の暴走、一丁の銃で解放される狂気という意味ではジョーカーに通じるものがあった。後に残る感触は全く違うけど。