そうぞうしかない

「ビニールハウス」を見た。

とんでもない想像のジェットコースターだった。貧困、孤独、自傷、介護、認知症…なんだこの世界の不幸をぜんぶ集めてきましたみたいなアベンジャーズ感は。とにかく最悪なことしか起きない。悪い方にしか行かないジェットコースタームービー。ハンパねぇ。ただね、すごいのは、この映画、決定的なことは何も見せてないこと。それがすごい!!その人の背景や実状、そして起こる惨状は、完全に見る人の想像に委ねる。説明不足ではない。とてもわかりやすい。わかりやすく最悪。でも決定的なことは何も描かない。直前までを描き、予感だけさせて、あとは客に想像させる。もうね、脳の中が、地獄よ!やばい。とにかく仕掛けが巧妙!ピースがどんどんつながっていって、脳内でいちばん最悪な状況を想像していく。こんな最悪な伏線回収見たことがない。多くは語りません。予想すると最悪しかないというか、もう笑うしかない。うわーこれは最悪だ、もう逃げられないわーなんて思っていたら…そんな予想を遥かに上回るアクロバット級のとんでもない展開に、最後はもう、ただ呆然とする。でも画面には映ってない。でも、そこで、それが、ああなってると考えると、ぎゃーーーー!って言うしかない。想像のジェットコースターがヤバすぎました。

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