さんじゅうねん!

「レザボア・ドックス デジタルリマスター版」を見た。

なんだよ、30年ぶりかよ!だった。もうそれ以上でもそれ以下でもねーというか。そんなに経ってしまったのかよ、時間!でも、この映画を初めて見たときのことはよく覚えている。いまポッドキャストを一緒にやっいる友人、大河内の家だ。たしか大学1年の時だ。いや、高3の終わりだったか。どっちでもいい。見せてもらったレザボアのレーザーディスク。まだ日本公開前で、輸入盤の字幕のついていないソフトだった。冒頭の長い会話。何言ってるかちっともわからない。でも、なんかその言い回しが、カメラワークが、ただしゃべってるだけのシーンなのに、そのリズムがかっこよかった。それから始まるオープニング。その時は曲名ももちろん知らなかったけど、Little Green Bagが流れて、歩いていくる黒服の男達のクローズアップにクレジットが重なる。あれに痺れた。もう、この冒頭10分で、映画の虜になってしまった。こんなかっこいいオープニングあるか。それからほどなくして映画館で公開されて観に行った。渋谷のシネマライズだった。それから何年か経って横浜、黄金町の日劇でも見た。たしかジャッキーチェンの「レッドブロンクス」とイタリアのB級ダイハードみたいな映画と3本立ての一本で上映していた気がする。ワンカップを飲んで酔っぱらいながら映画を観ていたおっさんがさんが休憩中のロビーで「ジャッキーは面白かったけど、こっち(レザボア)は寝ちまったよ」なんて言ってるのを聞いて腹が立ったのを覚えている。いまでも鮮明に覚えているくらい腹が立ったのだと思う。あの頃、将来何を仕事にするかなんか1ミリも考えないで学生時代を過ごしていたオタク崩れの大学生に、レザボアは刺さりまくった。若いオタクが世界を席捲している。憧れとも希望とも言える何かだった。映画の道に進みたい。そう思った。ただ、そうはならなかった。当時はそれがもどかしくて、大きな挫折だと思っていた。けど30年経って、強がりでも言い訳でもなく、今はそれでよかったと思っている。久しぶりに劇場で見ながら、30年前のあの頃が蘇ってきた。映画は記憶だ。

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