ほりおこしてみる

「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」IMAX上映版を見た。

言葉を失う映画だった。スコセッシの映画を見るといつも言葉を失ってしまう。見終わって、見てきたものをどう言葉にしたらいいのか、いつも迷子になるのだ。ということが今回よくわかった。3時間半。実話をもとにした話。衝撃的な話である。淡々とじわじわと闇が支配していく。表向きフレンドリーでいい人な町の実力者が実は…。その人たらしぷりと、巧妙な犯罪の手口。単純に面白いし怖い。ただ表面上で起こること以上にこの映画を支配する空気が何とも言えずに恐ろしい。裁くことができない悪の存在。それは果たして何なのか。命の価値、愛とは何か、ものすごくフラットに、あらゆる問いをつきつけてくる。そしてただ面白い。そして長い。日常の中に漂う逃れられない死の臭い。犯罪を淡々と、でもショッキングに描く手際のいい演出。80歳を超えてまたこんなすごい映画を作る。スコセッシ…やはり言葉がうまく出てこない。すごい映画だった。

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