むしんでかくひと

「共に生きる 書家金澤翔子」を見た。

なんだか昔話を見ているような、そんな不思議な気持ちになる映画だった。作品の圧倒的な存在感と神々しさ。無心で書く。そこに命が宿る。生きながらにして仏になったようなそんな奇跡を見ているようだった。ダウン症書道家。10歳の頃、言葉の意味もわからないままひたすら母に般若心経を書かされたという。おそらくその狂気が天才を生み出した。20歳での初の書の個展は、母が子に最後の晴れ舞台として用意したものだったそうだ。ただその書を見て心打たれ泣き出す人が続出。書を見て泣く、そんな奇跡が起き、世界が拓かれる。とにかく無心で書くその姿に、そして生み出される書に圧倒される。そして何よりこの人の存在がチャーミングですばらしい。真剣に書を書き、そのまま寺の中でマイケルジャクソンを踊り出す。キング・オブ・ポップのTシャツを着ているところも好感が持てる。とにかくすごい映画でした。

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