どぎついたいけん

「あのこと」を見た。

これまたすごいものを見た。一人称の自分視点で描かれるある女子大生の日常。これがまるで地獄のような映画だった。主人公の女子大生が若者らしく奔放で、楽しげに始まる。あら素敵な始まり方!なんて思ってたら、いきなり深刻な事態になる。予期せぬ妊娠。中絶が禁止されていた60年代のフランス。勉強を続けたいが、中絶はできない。そのことを誰にも打ち明けられないまま、誰にも言えない地獄巡りが始まる。本当に地獄。それを追体験させる自分視点のカメラワーク。これがもう見てられないくらい痛い。思わず叫び声さえあげそうになった。とんでもない追体験だった。こんなに劇場から逃げ出したいと思ったのは久しぶりだ。あと、女子大生たちのシャワーシーン…。集団で浴びる寮のシャワー。裸であることの肉体の怖さというか、守るものがない怖さというか、剥き出しの暴力性がそこにあって、とにかくこんなに怖い女子大生のシャワーシーン見たことない。まるで進撃の巨人だ。あまりにも理不尽な話だけど、いまポーランドでもアメリカでもまだこれが普通に存在してるんですよね…。

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