ちえのみをたべた

「MEN 同じ顔の男たち」を見た。

これまた新しい感じのホラー映画を見ました。とにかくむちゃくちゃ映像が美しい。どちらかというときれいなアート映画のよう。夫を亡くした女性が森の奥のきれいな別荘で休暇を過ごす。ちょっと森に散歩に出かける。この風景がむちゃくちゃ美しい。そこにトンネルがある。音が反響する。ハって声を出すと、それがこだまする。自分の声のこだまが重なって音楽のようになる。とっても美しくて楽しい幻想的なシーン。いやー美しい映画だなーって思ってると、遠くから何かがくる。少しずつ違和感が浸食してくる。これ幻覚だよね?って思っていると、意外にそれが現実で、自分以外の人にもそれがはっきり見えていたりして、で、そうやって現実的なことしか起こらないのかと思っていたら、とんでもなくエグい展開が待っていたり、映像的飛躍の幅がぶっ飛んでてすごい。タイトルにあるように村の住人がみんな同じ顔した男だったり、主人公が抱えている心の闇だったり、思いがけない人がかけてくる一番聞きたくない言葉だったり、心理的にもきつい。信じられないくらい美しいけど、イヤなものをみせつけてくる。映画としては「夜を越える旅」みたいじゃん!って思って見てたけど、見終わってテーマ的にもかなり近い気がした。内在する意識の話だったんだよねなんて思っていると、全くそうじゃないような、そういう境界が本気で分からなくなるような映画でした。最高でした。大好物な映画です。

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