あにめであるのだ

「FLEE フリー」を見た。

高校時代から知ってる友人。初めて見たのは通学の電車の中。同じ駅で降りて同じ学校に通う人だと知った。それから何十年も経って、初めて彼の過去を聞く。そんなドキュメンタリー。ドキュメンタリーなのにアニメ。アメリカのアカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞にも長編アニメーション賞にもノミネートされていて、何それ?って思ってた。見ていても、え?って疑問符がいくつもつく話なんだけど、まさにそれこそがこの映画がアニメーションとして作られた理由であることがわかってくる。「アニメじゃない」じゃなくて「アニメでなければならない」つまり「アニメ」は必然なのだ。そして人の人生における真実とは、かくも複雑で、ひと筋縄ではいかないものだということを思い知る。途中、思わず泣いてしまったシーンがいくつかあって、そのうちのひとつは主人公があることを家族に打ち明けた後、兄が連れて行った先の話だった。扉が開いた瞬間、思わず涙が流れた。それまで扉が開いたときにはいつも悲劇が待ってる展開が続くのだけど、ここで開かれた扉の先には優しさが待っていた。このシーンで心を救われた。ひとつ言えるのはとても深刻な映画だけど、暗い映画ではないということ。そしてこれはいま見るべき映画であるということだ。

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