きゅーとなしんし

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「83歳のやさしいスパイ」を見た。

見ている間中、何度も「あれ?これドキュメンタリーだっけ?」ってわからなくなった。いや、ドキュメンタリーだって知って見てるんだけど、それを思わず忘れちゃう。そんくらいドキュメンタリーっぽくない映画だった。南米チリの映画。83歳のおじいちゃんが、探偵事務所に雇われて老人ホームに潜入捜査するのを追ったドキュメンタリー。盗難や虐待があるのでは?という施設利用者の家族からの依頼で捜査に乗り出すんだけど、このおじいちゃんがとにかく紳士でチャーミング。潜入するやいなやホームのおばあちゃんたちの憧れの的になってしまう。捜査が目的なので、ホームのおばあちゃんたちの話を聞いて回るんだけど、ふだん誰も話を聞いてくれる人がいないもんだから、それだけでみんな目をハートにしてときめいちゃう。そんな様子が微笑ましくて、最初は笑って見てたんだけど、これ作り物じゃなくて、本当の話なんだよねって思うと、すごく切なくなってくる。みんなすごくさびしくて、孤独で、人の温かみを求めてる。この潜入するおじいちゃん自体も数ヶ月前に妻と死別したばかりで、生きる目的を求めて捜査員として志願してきたという…。笑いにいったら、意外に切なくて泣けてきた、そんな映画でした。いや、とってもキュートでステキなスパイ映画なんですけどね。

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