「白い牛のバラッド」を見た。
おお、これは！！！内容を何も知らないで見に行ったので、冒頭から頭がクラクラしてくる展開で揺さぶられた。刑務所での面会から始まる。妻が夫に面会する。夫はこの後、死刑になるという。そんな始まり方。扉が閉まって夫婦2人の泣き声だけが聞こえてくる。舞台はイラン。夫が死刑されて１年、娘と2人残され、お金もなく、内職と工場の仕事で生活は追われ、そんな時に事件の真犯人が現れ夫の無罪が判明する。誰にぶつけていいかわからない怒り。そんな中、夫の旧友という謎の男が現れる。これが冒頭。最初から感情のジェットコースターがやばい。淡々とした日常の中に「取り返しのつかない事態」が次々起きて、そしてその見せ方が実にうまい。ぎょっとするような真実が顔を見せる瞬間、静かにじわーっと「えーーー！？」って思わせる。劇的に見せないことでじんわりと衝撃度を上げてくる。不条理きわまりない、つまり大好物の映画でした。
