なにものでもない

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「ボクたちはみんな大人になれなかった」を見た。

ネットフリックスでも見れるので最初ちょっと見てみたんだけど、あ、これは劇場でなきゃダメなヤツだと思ってチケットを買って即劇場に駆け込んだ。なに?この、ヤバいものを見てしまった感。見終わって何て言っていいのかわからない、どうしようもなく切ない気持ちになっていた。ドンピシャ同世代の自分のすぐ隣にあった別の人の人生。その断片が時代の空気と一緒に描かれている。どれもなんてことない記憶の断片。現在から徐々に過去へさかのぼっていくにしたがって、自分もあの頃に飛ばされた。まるでタイムマシンのような映画だった。渋谷、新宿ゴールデン街、90年代の半ばにわたしもそこにいた。原作を読んだら95年の黄金町まで出てきた。その時代、そのすぐ横に自分がいた。そして未経験ながらデザインのソフトの本を読みながらデザインの仕事を始めた。業界自体は違うけどなんとなく似たようなところで、近いことをしながら生きていた自分がいる。映画に出てくるPCが時代をさかのぼるごとに大きくなっていって、それを見てるだけでも当時の気分が蘇ってくる。どうしようもないあの頃の気分。文通ではなかったけど、ネットの掲示板で知り合った娘と渋谷のシネマライズで「ミフネ」を見た日のこととか、ネットで知り合った青森の娘が上京してきたときにくれたカセットテープに入ってた曲のリストとか、ほんとに何でもないことを次々思い出して、なんだか切ない気持ちになった。劇場を出て近くの本屋に行って原作本を買って、どうしようもない気持ちが止まらなくて、電車に一時間半ゆられてあの頃からの友人に会いに行った。なんだか過去があふれて止まらなかった。あれから2日経つけど、まだ止まってない。ちなみにビューティフルドリーマーは家にいる間、ずっと見てる派でした。何回とか数えられるレベルではない。

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