おきてみるあれだ

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「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」を見た。

もしかしたら、長年観たかった映画はこの映画だったんじゃないか?そのくらい個人的にピタッとくる映画だった。ただ困ったことに、どう人に勧めたらいいか悩んでしまう映画でもあった。面白い映画ではない。むしろ眠かった。とにかく前半はけだるくて退屈で、どうなることかと思ってたんだけど、それこそがこの映画の装置の一環だとわかって後半で目が覚めた。そういう映画だった。見る前に知っていた情報としては、中国映画であること、途中から3Dになること、この2点だけ。残念ながら自分は2D版を見たのだけど、それ以外は何も知らなくて、冒頭は男が女を探す話なのはなんとなく分かったんだけど、要素が断片的で何が起きているのかわからなくて、正直あまり面白くなかった。何で無理して時間作ってこんな映画見にきたのか後悔してた。ただ、ちょうど1時間くらい経ったところで、いきなり空気が変わって目が覚めた。ここで突然タイトルが出る。つまりここからが本編なのだ。どうやらここから3Dになるらしい。それだけでなくてワンシーンワンカットの映画になる。本当に映画が変わるのだ。そしてここからの映画体験こそが、この映画の全てと言っていい。そして前半のあの気怠くて眠たい雰囲気が、意図的であったのではと思う。なるほど、そういうことだったか。前半で出てくるキーワードがここら先で活きてくる。この感覚、知ってる。きっと誰もが知っているあれにちがいない。何という映画、何という映画体験なんだ。惜しまれるのは2D版を見てしまったことだ。どれほど体験として変わるかは別として、これは3Dで見るべきだった。しかし、いずれにしてもこれはずっと見たかったアレにちがいないのだ。すごいものを見た。