じごくかここは

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「家族を想うとき」を見た。

この話はいったいどこへ向かうのか…。見ながらずっと何とも言えない不安がつきまとう映画だった。何か大きな事件がおきるわけではない。じわじわと壊れていく映画だ。ある普通の家族の話。善人でも悪人でもない。ただ家族が普通に暮らすために少しでもお金を稼ごうと懸命に働く父親の話だ。生活のために働く。そんな当たり前のことが困難な労働環境。一生懸命になればなるほど状況が悪くなっていく。ときどき家族にとって幸せな瞬間がある。でも労働に追われ家族でいる時間が搾取されていく。そしてちょっとした行き違いやアクシデントで事態は泥沼化していく。どん底に落ちて行っているのに誰も手をさしのべてはくれない。とにかく絶望のどん底に突き落とされる。当たり前に生きてるだけなのに。どんな地獄だよ!って思うが、これはまさに今の世の中そのものだ。希望の光はある。だけどラストのあれは…。とにかく胸にくる映画だった。すごく好きな映画なんだけど、好きっていっていいのかとまどうほど刺さる映画でした。