ことしのまつりは

名探偵コナン 100万ドルの五稜星」を見た。

最後まで謎が解けない映画だった。謎が解けないというより、むしろ謎がなんだったかわからなくなった。もしかしたら、これはすごい映画なのかもしれない。謎を解く映画なのに、謎そのものがわからないという大きな謎を生み出している。あらゆる要素が詰め込まれたすごい映画である。ある意味、コナンバースなユニバースでアベンジャーズ的な、キャラクターの大集結。すごい情報量!ヒントが次々と出てくる!幕末の志士まで出てくる。とにかくたくさんキャラクターが出てくる。情報量がヤバい。そしてまたヤバいのが、満席度!30分おきに4スクリーンくらいで上映しているのに、どの回も満席!大満席!祭りだ祭りだ!!すごい。すごすぎる!こんだけ情報量が多いのに、なんと、話が一歩も進まない。どころか後退してるーー?!とは言え、もちろんご褒美もある。なぜ、あの二人が似ているのか!?同じ顔なのか。その答えがわかる。え?みんな知ってたの?わたしは知らなかった。もうね、そんな話あるかーーい!なんだけど、コナン世界では何でもありですよね。とにかく祭りでした。テンションが上がってしまって、いや正気を保つので大変でしたよ。今年も無事に劇場で観れました。そういや、いつからだっけ毎年観るようになったの…。

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てんしょんあがる

月曜なんでnote投稿しました。この週末はまるごとずっとデザインセミナーの準備でした。先週はずっとこの準備をしてて、27年間やってきた膨大な仕事の中で、どの部分をピックアップして、なにをどういう順番でみせるか考えた。点として1つのデザインを語ることもできるけど、もっと大きな流れで、つまり線としてそれが見せられないか、そうことを考えて流れを考えている。考えてみたら自分のデザインについて言語化したことってほんとどなくて、ただやってみたら、これが大変で大変で大変で、だけどきちんと見えてくるものもあって、考えていた以上に自分が深く思考していたこと、きちんと仕事の理念を大事にしていたことがわかって、自分のことなのに知らない事がこんなにいっぱいあったんだって驚いた。セミナー1回ではとてもおさまる内容じゃないので、今回はダイジェスト的なセミナーになるけど、けっこう震えるほど面白い内容になったと思う。いや、本当にすごいものになってきてて、セミナーの内容は作りきったけど、この先のもっと厚みのある内容を作りたい気持ちに火がついている。大変なんだけどね、本当に。でもこれは掘り起こす価値があるなと。27年もデザイナーやってるんだな…。全部、独学。やりかたも思考もオリジナル。そりゃ、何かあるよ。掘れば。

続いてるラジオです

友人とのポッドキャスト

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さけびながらなく

「人生って、素晴らしい/Viva La Vida」を見た。

素晴らしい映画だった。不治の病もので恋愛もの。重そう。で、このタイトル。1週間限定上映。実はあまり見る気が起きないでいたんだけど、たまたま時間が合ったので見に行ってみた。見て良かった!心の底から見てよかった!素晴らしい映画だった。腎臓の病気で人工透析をしながらドナー待つ女性リンミンと、悪性脳腫瘍で脳に爆弾を抱えた青年リュト。不治の病の2人が出会う。性格は真逆。マジメと天然バカ。相性最悪。死んだら腎臓をあげる代わりに母の面倒を見て欲しいというリュトの願いで2人の関係が始まる。なんだか重苦しい話のように見えるんだけど、これが最高に笑える大コメディ!めちゃくちゃ笑える。最初は強烈な拒絶と反発から始まって少しずつ2人の距離が変わっていく。めちゃ楽しい!けどだからこそ切ない。めちゃ切ない。楽しげなやりとりと正反対にある2人の病気の現状。このやりとりが楽しければ楽しいほどに切なさがつのってくる。いつ終わるかもしれない関係。その中で必死で笑って生きる。素直な自分を曝け出せる唯一の相手としてのお互いの存在。もうそれが愛おしい。恋愛を超えてそれが描かれる。お互いがなくてはならない存在になっていくプロセスがとても自然で、そして泣ける。恋愛ものというよりは、友情ものとして泣ける。実にきれいな映画だった。終わる頃にはこの2人が大好きになって、ファイトーって一緒に叫びたくなる。そして号泣。思わぬところで3回泣いた。素晴らしかった。だめだもう、予告見ただけで泣く。ヤバい。

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せいぎょがきかん

「インフィニティ・プール」を見た。

いやーーーな映画だった。なんだこの怖さは。どこかの島。金持ち達が集まる。現地の人から隔離されたリゾート。この島の法律。犯罪を犯したら即死刑。うっかり酔っぱらって、現地の人をはひき逃げしてしまう主人公。即逮捕。即死刑宣告。殺した人の親族に処刑される。ただ金持ちには逃れるすべがある。クローンを作って代わりにそいつを死刑にする。そういう映画。目の前で自分が殺されるのを見る。主人公は売れない作家。書く材料に飢えている。これだ…。自分の死に取り憑かれる。金さえ払えば、代わりの自分が殺されて無罪になる。つまりやりたい放題。これに味をしめた金持ち達が他にもいる。制御の効かない徒党を組んだ金持ちたちの愚行が始まる。なんとも不快で気持ちの悪い映画だ。つまりは金の怖さ、というより力を持つことの怖さ。力によってすべてを思い通りにできるという盲信をストレートに描く。それが生むとんでもない暴力。嫌すぎる。実にイヤな展開になっていく。そしてケロッと終わる。何事もなかったかのように。それが一番怖かった。

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つづきをみたい!

オーメン:ザ・ファースト」を見た。

はからずも「呪い」映画が続いた。「アイアンクロー」は家族の呪いの話だったけど、こっちはまっすぐオカルトな呪いの映画。オーメンの前日譚と聞いて、正直1ミリも期待してなかったんだけど、いや、これすごく面白かった。始まった瞬間から、もう「オーメン」感が!!ガラスの恐怖。そして一転、1作目のちょっと前、1971年のローマ。学生運動が起きていて、なんとも不穏で暴力的な空気が充満してる。この舞台設定の素晴らしさ!そして宗教的な怖さ。不気味なものを、直接的にも間接的にも匂わせる。悪魔的な何かが常にそこにあって、壁の絵とか壁のハンガーにかけただけの服まで怖く見える。次第に地獄化していく世界がなんともおどろおどろしくて、でもなんかその悪魔的なものが、超楽しい。この世界観はとても好きです!そしてきちんと、オーメンしてる。ラストで、え?!あ!そっちもあるのか!!と盛り上がって終わる感じも最高!予想以上はなくても、期待値は遥かに超えた娯楽作でした!いやーこれは続きがみたい!!って、あ!「オーメン」を見ればいいのか!!

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ひげきのまえが…

「アイアンクロー」を見た。

呪いについての映画だった。父親も兄弟もプロレスの道に行く、プロレス一家の実話。プロレスにはまったくもってうといので、フォン・エリック家というものもまったく知らなかったのだけど、これはプロレスの話というよりも、人を縛り付ける呪縛についての話で、プロレスがわかっていないくても何の問題もない映画だ。親の過剰な期待。その押しつけがいつのまにか人を壊していく。兆しが見えたとき、誰かに相談しようにも、父も母も兄弟の問題は兄弟で話合えという。何が生きづらさを生むのか、じつは気がついていながらも、逃げられない。この呪いを逃れたられたのはたった1人。最も従順で、でも不器用だった次男。呪いを解く方法は何だったか。そこに希望がある。ただ、重たい。とにかく重たい。最初の兄弟達の楽しげな幸せそうなシーンが少しずつ壊れていく。バイクの疾走、クリスマス前の食事会、悲劇の前の静かな余白が、何とも怖くて、切ない。個人的にすごくモヤモヤする問題を抱えて映画館に入ってしまったので、絶望感が流れ込んでくる感覚がとんでもなかった。全身の血の気が引く感じがした。それほどによくできている。それにしてもザック・エフロン!ハイスールミュージカルの彼が、とんでもない身体の作り込み。とにかくもうすごい映画だった。

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おとななえいがだ

「パスト ライブス/再会」を見た。

きわめて映画らしい大人の映画だった。24年にも及ぶ初恋の物語。大人のラブストーリー。韓国で始まった24年前の初恋。お互いまだ小学生。そこから一度も会わないまま24年。24年後に再び会う2人。お互い別のパートナーがいて、片方は結婚し、片方は別れそうになっている。でも心のどこかにいつも初恋の人がいる。運命かもしれない2人が24年ぶりに会う。そんなおとぎ話みたいなラブストーリー。そんなできすぎた話はなんと監督自身の実話がベースになっているという。できすぎているのは現実の方だ。韓国語のイニョン、縁、運命という言葉がこの物語のベースにある。運命で結ばれているかもしれない2人。24年の時を経て再開する数日間。そこから映されるニューヨークの風景の美しいこと。まるで全シーンがソール・ライターの写真のよう。窓に映り込んだ風景、地面の水溜まりに反射する世界。何でもない景色が美しい。その人といることで世界のすべてが美しくなる。ただし女性には夫がいる。なんとも残酷な話である。結末の余韻になんとも言えない気持ちになる。きわめて映画らしい映画だった。

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