ひげきのまえが…

「アイアンクロー」を見た。

呪いについての映画だった。父親も兄弟もプロレスの道に行く、プロレス一家の実話。プロレスにはまったくもってうといので、フォン・エリック家というものもまったく知らなかったのだけど、これはプロレスの話というよりも、人を縛り付ける呪縛についての話で、プロレスがわかっていないくても何の問題もない映画だ。親の過剰な期待。その押しつけがいつのまにか人を壊していく。兆しが見えたとき、誰かに相談しようにも、父も母も兄弟の問題は兄弟で話合えという。何が生きづらさを生むのか、じつは気がついていながらも、逃げられない。この呪いを逃れたられたのはたった1人。最も従順で、でも不器用だった次男。呪いを解く方法は何だったか。そこに希望がある。ただ、重たい。とにかく重たい。最初の兄弟達の楽しげな幸せそうなシーンが少しずつ壊れていく。バイクの疾走、クリスマス前の食事会、悲劇の前の静かな余白が、何とも怖くて、切ない。個人的にすごくモヤモヤする問題を抱えて映画館に入ってしまったので、絶望感が流れ込んでくる感覚がとんでもなかった。全身の血の気が引く感じがした。それほどによくできている。それにしてもザック・エフロン!ハイスールミュージカルの彼が、とんでもない身体の作り込み。とにかくもうすごい映画だった。

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