「プリシラ」を見た。
少女マンガ!?から一転、なんだか切ない映画だった。ソフィアコッポラ。なのでオシャレ。すごくオシャレなんだけど、けっこう怖い映画でした。始まりはマジ少女マンガ!世界的スーパースターが、なんてことない平凡な15歳の女子中学生に一目惚れ?!世界が熱狂するプレスリーがですよ。なんでわたしー!って、女子中学生がスーパースターから熱烈アタックを受ける。「ヤバい、ぜんぶあげちゃう!」と思ったらまさかの「君を大事にしたいから、いまはプラトニックな関係のままでいよう」って、猛烈に惚れられた上に、大事にされてるーって、マジ少女マンガ。浮かれてたら、彼はアメリカに帰って離れはばなれ。やっぱりあれは夢?なんて思ってら、アメリカ行きのファーストクラスのチケットが送られてくる。ぎゃーーーー!もう、少女の願望が全部盛り!もりもり、な胸キュン映画。ここまでが前半。一転して、中盤以降様子が変わる。なぜわたしだったのか?彼は何を求めていたのか?それが次第に分かってくる。牢獄に囚われた姫のような…そんな映画になっていく。これは人をコントロールして支配しようとする力の映画だ。実際の人物像がどうだったのかは分からないが、映画としてはその描き方が、ちょっと怖くて、そして哀しくもあった。そして囚われの姫はやがて自由を手にするが、世界のスターがここから辿る道は…。そう考えると運命の皮肉のようなものも感じる。そういう映画だった。