だんちのあんこく

「ザ・タワー」を見た。

暗黒の団地映画だった。突然、一棟だけ世界に取り残される団地。理由は不明。団地の外は闇。何も無い。真っ暗な中に手を出したくなるじゃん。すって手を出すと、出した部分がなくなるの。手が無くなる。この辺の見せ方が面白い。主人公らしき女性の弟の身に起きることなんか、めちゃくちゃ怖い事態なのに、さらりと描かれる。さらりと怖い。そして、住民たちが、なんかこれヤバくね?ってなっていく。舞台はフランス。その建物には色んな人種が住んでる。同じ民族、肌の色が同じ人たちが徒党を組む。小さな分断が始まる。そして5ヶ月経つ。食べ物の循環システムが出来上がり、階層が分かれて分断が激しくなる。暴力が支配し、子供が老人を殺して、食料としての犬を盗む。そんな無法地帯。力による支配がある一方、徐々にその秩序も壊れ始め、決定的なことが起きる。そして5年経つ…。時間の経過とともに建物内の様子が変わっていくのが面白い。断絶が深まり、宗教が生まれ、圧倒的な虚無の中でも人は生きていく。心理的にいやーな映画だった。

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