なににおそれてる

「ボーはおそれている」を見た。

おそろしい映画だった。おそるべき映画だ。基本的にはホラーだ。いやコメディか。なんだこれは。見ている間、みごとにかき回された。3時間、ずっとかき回され続けた。こんな映画も珍しい。わけがわからない。でもそれが楽しい。たぶん見た人がそれぞれどんな映画だったか考えてしまう映画だ。あってるとか間違ってるとかそんなこともどうでもよくなる。わたしの解釈もある。2人いた?母は死んでなかった?いや、じつはバスタブで自分が死んでた?ん、いや始まった瞬間に、この物語は終わってた?あ、それはもう一人のほう?屋根裏にいたのが彼だとすると3人?途中で3人の子供の話が…?じつはずっと家の中にいた?いや家にさえいなかった?ほら、ちょっと書き連ねてもこんな感じ。わけがわからない。そのわけがわからなさがまったく退屈じゃない。いやむしろ楽しい。3時間、意外なほどあっという間だった。この映画を支配するのは、母と水、あとすべての他者だ。それにおそれ続ける3時間。ホラーだけど怖くはない。でもおそろしい。そしておかしい。おそろしくて、おかしな映画だった。

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