みかけによらねー

モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン」を見た。

不思議な魅力にあふれた傑作だった。なんと表現していいかわからない映画。こういう不思議な魅力にあふれた作品に出会えるから映画はやめられない。荒削りなんだけど、その荒削りさが妙にクセになる。色使いや空気感が、懐かしいんだか、新しいんだかわからないし、役者のルックがいわゆるB級感があってパッとしない画作りだな、なんて思っていると、それがまるで魔法のようにじわじわ効いてくる。とにかくクセになる画作りの映画だ。ぱっと見の印象が、次第にじわじわ印象が変わってくる映画なんだけど、映画の中身自体もまさにそんな話で、見かけによらないやつが、すっげーいいやつだったり、記号的に配されて見えていたものが、実は全く記号じゃないことに気がつかされるような、そういう奥深さがある。この映画の良さを語り尽くす語彙がわたしにはまだない。簡単に「こうだからいい」なんて言葉にするのが難しい映画だった。そしてわたしにとってこれはワニ映画だった。もちろんワニは1ミリも出てこない。しかし冒頭の沼と緑のタイトルにワニを予感させる何かがあった。バカだろ?バカでいいんだ、いい映画は全てワニなんだ!

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