ぽとらっちどん!

「水は海に向かって流れる」を見た。

終始不機嫌な広瀬すずが、ぶすっとしたままの2時間の映画。心が16歳のまま止まっている26歳の不機嫌なサカキさん。彼女の暮らすシェアハウスに高校生の少年が引っ越してくることで彼女の不機嫌が加速する。雨の中、少年を駅に迎えに行き、彼に特上肉の牛丼を作って振る舞う。終始不機嫌。ポトラッチ丼と呼ばれる最上級の肉とたまネギをめんつゆで暴力的に煮た料理。少年が「美味しい」と言ってもやはりサカキさんは不機嫌だ。なぜ少年に対してこれほど不機嫌をぶつけるのか、その原因はすぐに明かされる。そして少年が来た日にポトラッチ丼を振る舞った理由も後半でそれとなく語られる。怒りを小さくぶつけていたのだ。10歳年が離れた少年に大人びたことを言いつつ精神的には少年より幼い大人の女性。その二人の微妙な距離感の映画。不機嫌さは人を支配していく。広瀬すずの不機嫌顔はとても怖いのだ。雨の日に出会って、川辺のシェアハウスでの生活が始まって、海辺の町で距離が近づく。なるほどタイトル通りの映画だった。空腹で見たので、むしょうにカレーライスの生卵乗せが食べたくなった。

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