ぼろぼろないてた

モリコーネ 映画が恋した音楽家」を見た。

泣いてた。なんだか知らないけど、気がついたらぼろぼろと涙が流れていた。映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネのドキュメンタリー。意外だったのはずっと「これは本当の仕事じゃない」と自問し続けながら、映画音楽を作っていたことだ。ずっと「もうやめよう」と思いながら作っていた。1970年になったらやめよう、1980年になったらやめよう、そう思いながら、ものすごい数の映画音楽を作っていた。常に新しいことを求めて、実験しとにかく数を作った。ダメだしをされて、頭にきた!ゴミを作ってやると言って投げ捨てるように曲を作る、でも手は抜かない、そんなときこそ更に新しいことをやる、そして本人はゴミという曲が採用されて、それが評価され、あまつさえ映画の歴史を変えるほどのインパクトを世界に与える。もちろんはじめから天才的な才能があったんだろうけど、とにかく数を作り続けること、新しいことを取り入れ続けること、それで世界が拓かれていく。不本意ながら続けたことの先に広がっていた風景が、とてつもなく素晴らしくて、なんだか涙が止まらなかった。人生は思い通りにはならないけど、思った以上のものになるものなんだな。

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