ぶっとばされた!

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「海辺の映画館 キネマの玉手箱」を見た。

大林宣彦監督の遺作。この映画が公開される予定だった日に監督は亡くなった。それから三ヶ月半経ってようやく公開された。仕事が山積みでとても映画を見てる余裕はなかったんだけど、全て放り出して見てきた。その価値はもちろんあった。すごかった。とてつもなくぶっ飛んだ映画だった。大林映画の集大成とも言える作品。ひと言で言えば「とんでもない」映画だ。映画そのものの価値を問い直す映画であり、日本と戦争の歴史をたどる映画であり、映画史の話しでもあり、ミュージカルでもあり、コメディでもあり、ラブストーリーでもあり、ホラーでもあり、アクションでもあり、SFでもあり、実験映画でもあり、つまり何かというと「これこそが映画だ」ということだ。それを全力で見せつけてくる映画だった。怒りとか、悲しみとか、憎しみとか、全てを飲みこんでしまうとてつもない執念というか愛というか、本気で何かを残そうとする強い意志を感じた。まるで遺書のような作品だ。そしてかつてないほどにアヴァンギャルドな作品だ。脳みそが3億光年くらいぶっ飛ばされた気分だ。