むねをさかれた

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「Girl/ガール」を見た。

胸をえぐられるような映画だった。バレリーナを目指すトランスジェンダーの少女が主人公。女子更衣室を使うってだけでも普通にはできない。このくだりは、ゆるくはあるけど暴力的にきつかった。また練習中に男性器をテーピングしているのでトイレに行けず、だからレッスン中に水も飲めない。練習が終わってトイレに駆け込んでようやく一人になって水をかっこむ姿がなんとも痛々しい。とにかくそんな状況で人一倍、ひたむきに努力する姿は、見ていてつらいのだけど、とにかくこの主人公が美しいのです。常に壊れそうな表情でそこにいる、それだけで絵になるという。バレエもすごいけど、息遣いや表情がとにかくすごかった。周囲の大人たちは優しくて協力的でそれは救いではあるのだけど、本質的な辛さは彼女の中にずっと蓄積されていって、それが伝わってくるんですよね。ああ、もうこれは、来るな、と思ってからは、ちょっと正気では見れませんでした。かなり揺さぶられました。とにかくすごい映画でした。