さむらいだましい

「侍タイムスリッパー」を見た。

なんだよー、本当に大傑作じゃないかよー。すごすぎる!観ている間、低予算であることを完全に忘れさせる。しっかり時代劇で、コメディで、アクションで、そして何より映画愛にあふれていて、震えるほど素晴らしい映画だった。笑って、驚いて、興奮して、号泣して、最後にクスっと笑って、これぞ映画!お金なんかなくたって、知恵と工夫と情熱でここまでできる。いや、予算がないからこそ生まれた傑作だよね、きっとこれは。制約こそ創造の神だ。ひたすら楽しませることを考えて練られたシナリオに、惜しみなく詰め込まれたアイデア。侍がタムスリップして現代に来るっていう使い古されたような設定をここまで楽しく見せる。もう冒頭のつかみから最高。時代劇の撮影現場で、同じシーンが二度繰り返されるって、それだけで人物設定に、状況説明に、さらにコメディとしてのおかしさも加速させてくる。映画として斬新な新しさというより、ある意味クラシカルなつくりで、でもそれをしっかり作り込むことで、正統派の面白い映画になっている。お金をかけずに、あえて正統派に撮る。映画らしく撮る。日本を変えようとした時代の侍たちの情熱が映画内の裏方やキャストとリンクして、さらにこの映画を作ったスタッフたちの思いともリンクして、そこからあふれる映画愛に涙があふれる。笑いながら思い切り泣いた。ありえないほど素晴らしい映画だった。拡大公開も決まったようで、しっかり広がっていこうとしている。そのことにも泣く。熱すぎる。まさに本物の映画でした。

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