「アネット」を見た。
とにかく冒頭からすごい。始まった瞬間から「映画」であることをこれでもか！ってくらい宣言する。「息すら止めて刮目せよ」と呼びかけ、「これから映画が始まる」ということを歌い始める。ワンシーンワンカットで登場人物達が歌いながら夜の街に飛び出していく。「映画が始まる！」と歌い続ける。観客に期待をうながし、出資者たちへの配慮まで歌に込める。圧倒的に、まぎれもなく、これは映画だ。これほどまでに「映画」的な映画を久しく見てない気がする。そしてやはりカラックスなのだ。ずいぶん前に次はミュージカルを撮るというようなことを言ってた気がするけど、それをようやく見れたということだ。ミュージカルでありブラックコメディでありダークファンタジーでもありラブストーリーでありサスペンスでもありホラーでもある。つまりこれはまぎれもなく「映画」なのである。若き天才ももう60代。時の流れを感じつつ、あれ？もしかして古舘寛治が出てた？そっくりさん？って思ったら本当に出てた。
