れとろげーむです

家から出られない感じの忙しさで、そんなときは!と思って、買ったまま放置していたBlu-rayでも見てみるかーと思って、「バタリアン」とか「八甲田山」とか、ビニールすら破ってなかったソフトを見ていたんだけど、その中の一本「その男、凶暴につき」を劇場公開時以来、35年ぶりくらいに見たのだけど、いやーこの映画、暴力的でその描写がきちんと怖くてしつこくて、それでいて演出はソリッドですばらしいなと改めて。見て良かった!冒頭の少年達がホームレスに暴行するシーンからすでにすばらしい。で、そのあとですよ。暴行した少年をたけし演じる刑事が黙って追っていって、「お子さん帰ってきましたよね」って、家に上がり込んで、いきなりビンタするシーン。ここで少年の部屋がうつるんですが、部屋の棚にたくさんゲームソフトらしいもののパッケージが映ってる。最近始めた趣味、映画の中のレトロゲームハンター発動です!どんなゲームなのか?これは調べるまでもなく一発でわかるんですが、富士通のパソコンFM-7のゲーム群です。だってマイコンFM-7ってタイトルのものが親切に置かれてます。それで並んでいるゲームはどれもFM-7のものです。FM-7、1982年発売のパソコンです。ソフトはカセットテープですね。読み込むの時間かかるんですよね。わたしの友人MくんもFM-7を持っていて、家で遊ばせてもらったんですが、信長の野望17カ国版を遊ぶのに読み込みに30分くらいかかった記憶がある。懐かしいなー。棚に並んでるゲーム、麻雀四天王にボコスカウォーズにザ・ビリヤードに、いろいろあるんですが、よほど気に入ったのか「NOBO」ってゲームが3本ある。3つも買っちゃってる。「NOBO」はゼビウスをマネした(というかマンマな)シューティングゲームで、名作と言われているものです。名作だから3つ買ったのか、やりすぎてテープが傷ついてしまったのか、誕生日のプレゼントに父と母が別々に買ってきて、更に自分もで買ってきてしまったか…。よっぽど好きだったんですね「NOBO」が。それはいいんですが、これでわかるのは、この子の育った環境なんですよね。ファミコンじゃなくて、パソコンを買い与えられている。おもちゃで買ってもらえるような金額じゃないですからね。10万以上しましたから。FM-7 というセレクトがまた絶妙です。子どもが絶体選ばない!親が買ってきたのがわかる。これからの時代を考えて、比較的早い段階からパソコンを与えて英才教育をなんて思ったんですかね、でも結局ゲーム機になって、これだけゲームを買い与えて、それをよしとしている。ソフトも1本4000円とか、もっとしますからね。親が買ったんでしょう。お小遣いじゃん買えない。この映画の作られた1989年だともうFM-7は、時代遅れのパソコンになっていて、世界ではじめてCDドライブを搭載したパソコンでFM-7の後継機とも言えるFM TOWNS富士通から出てますからね。たぶんこの少年は、もうこの部屋ににあるゲームは遊んでないんじゃないかな…。いずれにしろこの棚からなんとなく伝わるのは、この家の教育事情というか、どんな親かですね。一見教育熱心風だけど、じつはあまり関心がない、ただ子どもを甘やかしてるだけの親なのかなと。ま、なにせ冒頭でひどい暴力をする少年ですからね。この頃、リセットするこどもたちとか、殺人動機を「ドラクエ的」と言って攻撃する世論もあったり、ゲーム的なものを悪とする風潮が強かった時代でもありました。ゲームばかりやってるから、ホームレスを襲うような暴力をふるうようになる、という小道具の使い方ではあると思いますが、そこに置かれているのが、暴力的なゲームや流行のゲームではなく、子どもが自分で選ばないようなゲームとしてFM-7のゲームを置いてあることに、密かに子どもの責任だけではなく親の無関心が大きく関わっているをことを臭わせているのかなと思ったりしました。読み過ぎですかね。いや、でも意外に掘ってみるとこういう小道具の読み込みも面白いなと思います。レトロゲームハンターけっこう楽しいな。


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