「ジャスト6.5 闘いの証」を見た。
麻薬カルテルvs刑事もののイラン映画。ずっしりした作風でありながら、よりどころがわからなくなる不思議な映画だった。冒頭、麻薬ディーラーのあじとに潜入しようと扉を次々開けていく刑事たち、しかしその扉の先は…。そこから逃げ出したディーラー、それを追う刑事、逃げ切ったディーラーを待つ悲劇的な結末…。冒頭からあまり見たことがないタイプの不条理展開がつづく。ここでハートをつかまれる。そこから麻薬グループを追いつめていく刑事たちの非道としか思えない捜査の仕方に唖然とする。悪人の方がむしろ善人に見えてくる。警察、怖すぎ。そして留置場に捕らえられた人、人、人、とにかく圧倒的な人の量。裏切りに騙しあいに、色んな駆け引きが行われるが、そこには正義も悪も何もない。とにかく、不条理で、絶望的で、淡々としていて、しかしものすごくエネルギッシュな映画だった。何だろう、これ。言えるのは、ものごっつい好きな映画だったってことだ。