「mid90s ミッドナインティーズ」を見た。
ジョナ・ヒルが監督で、90年代を舞台にした映画だというので、勝手にバカ映画を想像していたら、冒頭の兄から弟への暴力描写に、あれ？何か違う？って感じで、気を引き締め直した。とにかく音が怖い。で、「絶対に入るな！」と言って出て行った兄貴の部屋に勝手に忍び込む弟。激しいせっかんを見せつけられた後だから、もう怖くてしかたない。そんな始まり方をする映画。主人公はこの弟。幼くてかわいらしい顔した少年が、町でスケボーをやってる不良少年グループに憧れて、その輪の中に入っていく。「行き止まりの世界に生まれて」の前日譚のような映画で、スケボー仲間の人種はバラバラで、ずっとビデオカメラ回してる寡黙なヤツがいて、って、まんまじゃないか。そしてみんな家族に問題を抱えていて、スケボーしてる時間だけが救いだという。ダラダラとワルやって生きていながらも、そうするしか術がない切なさがあって、何気なくお互いを思いやっている関係性に涙しちゃいました。「行き止まりの世界に生まれて」を見た直後だったので、彼らのその先の人生を想像せずにはいられなかった。偶然、良い順番で映画を見た。
