いきどまってない

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「行き止まりの世界に生まれて」を見た。

アメリカの工業地帯、ラストベルト。未来の見えない小さな町で育った若者たちの12年間を、その中の一人が撮影したドキュメンタリー。スケボーを通じて親友になった白人、黒人、アジア系の3人の少年。まるでドラマのような設定だ。彼らが少年期を過ぎ、大人になって、職についたり、家庭を持ったりしていくなかであぶりだされてくるさまざま問題。意図的にではなく、撮っていくうちに自然と問題の根底が見えてくるところがこの映画のすごいところだ。長きに渡って同じ対象を撮り続ける、まさにドキュメンタリーならではのリアリティ。リアルに年を取っていくし、考えや行動が変わっていくし、意外な側面が見えてきたりする。スケボーシーンの圧倒的な解放感と、閉塞感のある現実とのギャップも切ないけど、着実に未来に向かっていくラストに、がんばれよ!って言いたくなる。そういう映画でした。