かいだんをあがる

「WALK UP」を見た。

白昼夢のような映画だった。見終わって不思議な感覚を味わう。奇妙な夢を見ていたような気分だ。モノクロの韓国映画。4階建てのアパートを訪れた映画監督。娘を連れて旧友の女性を訪ねる。基本は長回しの会話劇。監督とそのアパートに暮らす女性との会話。女性達はみな映画監督に気があるそぶりを見せる。会話が終わり時間がジャンプする。さきほどまで一緒に食事をしていた料理教室をしている女性と監督は暮らし始めている。一緒に暮らして少し関係も冷めかけている。また時間が飛ぶアパートの上の階で別の女性と過ごしている。時間が飛び、女性が変わる。そして会話がはじまる。なにげない会話の中に2人の関係性と、この監督の人間性が見えてくる。この時間が飛ぶ感じ、ものすごく不思議な時間旅行をしている感覚になる。そしてその時間の円が循環して、すべては一瞬の幻だったかのような後味を残す。まるで白昼夢のような映画だった。本気で夢を見ていたような錯覚に陥る。モノクロの映像がそれを際立たせる。大好物の映画でした。映画監督と女性たちのモノクロ映画。「8 1/2」を思い出した。モテるのだな映画監督は。

www.youtube.com