むろまちぶっとび

「犬王 」を見た。

さすが天才湯浅監督!って映画だった。室町時代能楽師の話をロックミュージカルでやるっていうぶっ飛んだ映画。この飛躍が天才的すぎる。グルーブ全開で歌い踊るステージはそれはそれはすごいものだったんだけど、ぐっときたのは市井の人たちの暮らしや文化が、独特のタッチで活写されているところ。こういう細部の描写をしっかりやってるからぶっ飛んだ設定が無理なく受け入れるられるよね。蠅の飛ぶ音がうるさく響いていたり、より誇張して描いた世界そのものがとてもすばらしかった。主人公2人が音楽を通じて初めて心通わせるシーンもよかった。そうそうこうやって始まっていくよねーっていう小さな喜び。やがて世界をひっくり返すほどの舞台を作り上げて、世界を飲み込んでいたはずが、世界に飲み込まれていくっていう…。狂乱し、やがて哀しきロックかな。

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