ぶれてないやん

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「ホットギミック ガールミーツボーイ」を見た。

いわゆる「少女マンガ」を映像化するアプローチとして、個性の強い作家性をもってきて、今までにないものを作ろうとした結果、とんでもなくいびつで、でもフレッシュで、奇っ怪でとんがった不思議な味わいの作品ができあがってしまった、そういう映画だった。主演は乃木坂46堀未央奈。顔も演技も何となく乃木坂だ。これを自然に撮れば「あの頃、君を追いかけた」の齋藤飛鳥のように「見ているだけで幸せ」な透明感のある存在になったかもしれない。しかしそうはさせてくれない。普通の会話シーン5秒を20カットでつなぐような猛烈なカット割りと、台詞が終わる前に台詞をかぶせるスピード演出と、遠方からズームでアップを撮ったブレブレな映像が、最初から最後までずっと止まらないジェットコースター感の中で、誰にも感情移入ができないまま迷子になってしまった。ここまで実験的に振り切ってくれると、本当に気持ちがいい。とても貴重な作品だと思う。